【コラム】電話と青春の思い出
2026年3月31日をもって、終了する物があります。
何のことかお分かりになる方がどの位いらっしゃるでしょうか?
タイトルにヒントがあるのですが、さて・・・・。
何かと言いますと、docomoが提供している携帯電話サービス『FOMA』と『iモード』がいよいよ終了になります。
一定の年齢以上の方には懐かしい言葉ではないでしょうか?
知らない方のために簡単に説明しますと、第3世代移動通信方式(3G)が『FOMA』そして、携帯電話からインターネットやメールを利用できるサービスが『iモード』です。
ほとんどの方にとっては、この2世代前の通信方式が終了する、と聞いても特に影響はないと思います。
現在の生活においては特段の影響はない状況です。
なぜこの話題を取り上げたかですが、電話の歴史が、現在50代の私の人生に密接にかかわってきた、サービスが終了するということに少しノスタルジックな感情が湧いたからでしょうか。
1970年代生まれの私にとって、電話は生まれた時から家庭に普通にあるものでした。
ですがまだそれは個人の物ではなく、1台の電話機を家族で共有して使う時代で、留守番電話などという機能もないし、電話機はいつも、リビング近くやダイニングや、玄関など、家族が呼び鈴に気づきやすい場所にありました。
小学生の頃の私は、友達の家の電話番号をがんばって覚えたものです。
時は流れて1980年代、一般家庭では固定電話がホームテレホンとなり、機能的には、数台の子機や、留守番機能が付いたり、電話帳機能が付いたりと、少しずつ性能は進化していました。
ですが携帯電話はまだ一般的には存在しておらず、と言いますか電話を携帯する、なんていうことがこの先現実のものになるとは思いもせずにいました。
のちに、大人になってから知りましたが、この頃(1985年)に、携帯電話の元祖と言われる「ショールダーホン」が発売され、1987年には携帯電話サービスが開始されたそうです。
『いよいよデジタルサービス時代到来』
そして、1990年代前半にはPDCデジタル方式(第2世代携帯電話(2G)がサービスを始め、半ばには、PHS(ポケットベル)が普及し、私より少し年上のお兄さん、お姉さんたちの間で大流行しました。「114106」で「アイシテル」や、「106410」で「テルして」など、多くのごろ合わせによる暗号が生み出され、使われました。
公衆電話に最も行列ができた時代でもあります。
そしていよいよ2000年代、2001年に冒頭に終了を紹介した『FOMA』サービス、第3世代移動通信方式(3G)を開始しました。
この頃になると日本の携帯電話は、独自の進化を遂げ、あまり良くない意味でガラパゴスケータイなどとも言われました。
ですが、国内では爆発的に携帯電話が普及したのもこの頃です、キャリア各社が多くのメーカーから年に数回新機種を発表し、ついに、電話が家庭の物から、個人の時代が到来しました。(この頃より通話料も一般化してきました。)
この頃、社会人になった私も、携帯電話の魅力にある意味、憑りつかれ、新機種や新しい性能、機能の発表に心をときめかせて、携帯電話と共に爆発的に普及したインターネットで毎日のように新機種の噂や、型番の認証が通過した情報などを追いかけていました。
その後2000年代後半にはスマートホンが普及し始め、2010年代に始まった第4世代移動通信方式(4G)を経て、2020年代の現在、第5世代移動通信方式(5G)となり、ひとり1台以上携帯電話を持つのが当たり前の情報化の時代になりました。
通信速度でみると1Gのころが毎秒10kbpsだった通信速度は、4Gで1Gbpsとなり、当初から比べると、30年間で約10万倍、5Gではさらにその10倍ですから、如何に電話が進化していったかが分かります。
そして、冒頭に戻ります。
いよいよ2026年3月31日をもってdocomoの『FOMA』『iモード』がサービス終了です。
多くの人との出会いと別れを、多くの携帯電話と共に過ごしてきました。
そう思うと、機種ごとにたくさんの思い出があり、その通信方式なども発表のたびにワクワクした自分がいて、まさに人生に寄り添ってくれていたアイテムの一つが電話だったのだなと、改めて実感しています。
T.T