【コラム】うちわの歴史
今年も中央キャリアネットのオリジナルうちわが出来上がりました。見ているだけで涼しくなりそうな水色のデザインです。
暑い夏には欠かせない「うちわ」
そんな私たちの身近にあるうちわの歴史についてご存知ですか?
今回はうちわの歴史について調べてみました。
<古墳時代>
うちわの原型である翳(さしば)が、古墳時代に中国から伝わったとされています。現在のうちわと比べ柄の部分が長く、木製であったという特徴があり、主に祭礼などの儀式のための大切な道具として使用されていました。
<飛鳥~鎌倉時代>
公家、役人、僧侶など、地位の高い人たちが顔を隠し自らの威儀を正すために使用したり、虫を払うための道具として使用されていました。
また、天皇の食事を冷ますためや、宮中の火起こしをするための生活道具として使用されていたとも言われています。
<戦国時代>
合戦の際に大将が、軍の配置や進退などの指揮をするための武具として使用する軍配団扇として活躍しました。
現在のうちわとは違い、鉄と皮革や木を使って作られ、独特な形をしています。
大相撲で行司が使用している軍配のような形で、大相撲の軍配は戦国時代に使用されていた軍配団扇の名残だと言われています。
<江戸時代>
江戸時代では、うちわは庶民の手に入りやすくなります。
暑さしのぎや、炊事の際の火起こしのためなど、現代と同じように日常生活の道具として使用されていました。
また、この頃からうちわに浮世絵や歌舞伎役者、美人画などが印刷され、見て楽しむ芸術品としても好まれはじめました。
お気に入りの役者のうちわを片手に遊び場へ出かけることが、当時は粋とされていたようで、今でいうアイドルうちわのような存在だったと言えます。
戦争の影響で一時はうちわの生産量が激減しましたが、戦後は徐々に生産量が戻り、昭和30年頃には扇部分に人気を集めるアイドルの写真を印刷したものが普及、さらに昭和40年代にはプラスチックを使用したポリうちわが普及しました。
現在は扇風機やエアコンの普及により、日常的にうちわを使用する機会は少なくなってきたと感じますが、バーベキューで炭をおこす・部活動などの応援用・酢飯を作る・お祭りやアイドルグッズ・企業やイベントの広告など、今でも幅広いシーンで利用されていますね。
うちわは単なる涼を楽しむ手軽な道具と言うだけではなく、縁起物や贈り物としても扱われています。うちわで起こす風は神様の力を呼び起こしたり、強めたりするという意味があるそうです。お祭りなどで見かけるおみこしの周りでうちわを仰いでいるのは、神様の力を呼び起こしてお祭りを盛り上げるためだと言われています。
「日本三大うちわ」と呼ばれているのが、香川の「丸亀うちわ」、京都の「京うちわ」、千葉の「房州うちわ」です。
粋でおしゃれなデザインが多く、風情あふれるインテリアとして部屋に飾ったり、風を起こして厄を吹き飛ばすという厄除けの意味合いもあるので、夏生まれの人の誕生日プレゼントや、夏に長寿祝いを迎える人などへの贈り物として贈っても喜ばれそうですね。
今回はうちわの歴史について紹介しました。
色々な背景やルーツがあり、奥深いですね。
これから暑さも増し夏本番になりますが、先人たちが生み出したうちわを使って乗り切っていきましょう。
営業部 C.K